という方向けの記事となります。そんなあなたのために楽曲を作り終わった後に「もう少しクオリティ上がらないかな?けど何をしたらいいか分からない」という時のチェックシートを作りました。作曲中に見るのもありですが、個人的にはMIX前ぐらいに確認するのが推奨です。本記事では項目だけ羅列することになりますので早速確認していきましょう。
メロディ
- ビブラートをかけているか
- しゃくりを入れられているか
- グリスダウンは入れられているか
- スライドは入れられているか
- 強弱は付けられているか
- MIDIノートの長さは適切か
- カウンターメロディは入れられているか
- 音の高さは適切か(オクターブ上、下に移動させる必要はないか)
- 3連譜を使用する際に近い音域の16分に重なったりしていないか
1はModulationでやピッチを調整して書いていく、またはシンセサイザーの設定でビブラートをかけることが可能となっています。ノートの頭からビブラートをかけると音が外れて聴こえることもあるので、ノートの頭から8分とか16分とか空けてからビブラートをかけるといい感じになることが多いです。あとノートの最後に向けて変化量を大きくするなど。
2から4についてはピッチか音源の特殊な設定(アーティキュレーション等)で調整をしてゆきます。入れ過ぎるとうるさい感じがでたり、多種類の音を重ねていると合わせるのが大変だったりしますが、やるとやらないとでは大きな違いなので全体を見つつ入れられるところは全部入れていきましょう。
5は主にはベロシティの調整で行っていきます。シンセサイザーでベロシティが効かない場合は設定により効かせることも出来ます(参考記事参照)演奏系の音源プラグインだとベロシティによって音量意外に演奏する強さも変わってしまうことがあるので気をつけましょう。
6についてはメロディの印象を決める大きな要因になってくるので繊細に直していきたいところです。例に挙げれば、元気なイメージをして音の端切れを良くしたいときはノートと次のノートをくっつけるのではなく、32分の分だけノートを短くしたり、など。
7については作曲要素になってきますが、後付けでカウンターメロディが入れられる箇所がないか確認しておきましょう。他のパートに影響を与えるようなものは避け、FX的に入れられるようなものです。
8は作曲中に気付くことも多い箇所。念の為、メインメロディをオクターブ上下させて、今の高さが最適かどうかを確認しておきましょう。移調について言及していないのはMIX前に移調すると崩壊する可能性が高いからです。
9はリズムよりの話になっていきます。もし該当箇所がある場合は、3連譜の方を目立たせたいことが多いと思うので16分の方を4分音符に変更する等の処置を施しましょう。
5,
伴奏
- 不要にメロディより目立っていないか
- リズム隊とのリズムは合っているか(意図的に外しているのはOK)
- MIDIノートの長さは適切か
1はあまりないかもしれないけれど不要にメロディより音数が多くて目立つみたいなことは避けておきたいよね、という気持ちの話。音量についてはMIXで確認しましょう。
2は基本的にはメロディやリズム隊と合うようにするか、白玉多用で雰囲気を醸し出すかといったところでしょうか。特に気にするのはメロディがシンコペーションをしていることをでしょうか。
3はメロディの部分でも同様のことを書きましたがもちろん伴奏でも必要な考慮になります。少しノートを短くするだけでも曲の印象が変わってきますので、雰囲気を少し変えたいな、と思った時に使ってみると良いかと思います。
リズム隊
- ドラムのフィルインが全部一緒になっていないか
- キックとベースのリズムがずれすぎていないか(意図的ならOK)
- 強弱を意識できているか
- クラッシュシンバルがうるさくなり過ぎていないか
- 金物系がうるさくなり過ぎていないか
- サブベースの必要性を判断して入れられているか
- ベースのグリスダウン、スライド等の奏法を取り入れる必要はあるか
1は後で変えようと思ってやりがちな事(私だけ?)フィルインを変えるだけでも聴く側の飽きを解消することに繋がるのでめんどくさがらずに考えましょう。めんどくさい事ほど効果があるものです…。
2は曲の聴き心地に関わってくる事なので作曲中に一度は確認したほうが良いです。ベースはキックに合わせるところキックがなっていないところ、考えて作りたいですね。ちなみにEDM系だと敢えてキックと外してベースを入れていたりするのでジャンルによっては考えたほうがいいかもしれません。
3はリズム隊の重要なファクターです。基本的にベロシティで調整することになります。曲が完成した時に再調整するかーといって調整を忘れてしまうこともあると思うのでしっかり確認しましょう。
4は音を大きくし過ぎなこともあると思います。確認方法としてはマスターのフェーダーを6とか12下げて聴いてみてクラッシュがやたら大きかったら3、6ぐらい下げていいかと思います。リファレンスにしている楽曲があれば聴き比べしてみましょう。
5はミックスでやることかもしれませんが、個人的には聴き心地に直結することなのでまずはアタック感から調整していきましょう。耳に痛くなくリズムが刻めていれば良いのでは、と思っています。
6はEDMやエレクトロといったジャンルはほぼほぼ必ず必要かと思いますが、その他のジャンル(生のベースにサブベースを乗せるかどうかなど)の時はその時々で必要かどうか考えるタイミングは入れましょう。個人的には大音量で身体に響かせてほしいと思う時は入れることが多いです。逆にBGMのように長時間聴いてもらうようなものには入れてないことも多いです。聴く人の環境によって要不要が分かれるのかな、と。
7はメロディ部分で記述したこととほぼ同じになります。必要であればうるさくならないように全部の箇所に入れてやりましょう。曲のクオリティがグンと上がります。
音の厚み
- メロディに音を重ねる必要はないか
- メロディにオクターブ上下の音を重ねる必要はないか
- 伴奏に音を重ねる必要はないか
- 隙間を埋めたい場合にパーカッションのループなどを重ねる余地はないか
- OTTO(OTT Overdose)になっていないか
1はメロディの厚みを持たせるためにやる処置です。煌びやかさを出すためにグロッケンやPluck系の音を重ねたり、といったイメージです。
2は今あるメロディをトラックごとコピーしてオクターブ上、もしくは下で重ねて音の厚みを出す方法です。重ねる方の音は少し小さくしたりEQでメインの音域とあまり被らないようにしたり、アタックが強い音を重ねる場合はアタックを弱めるようなことをすれば(シンセサイザーならばアタックのノブをいじって立ち上がりを変えたり)うまく馴染めることが多いです。
3は1とあまり変わりませんが、PADやピアノ系の音源などを重ねられる余地がないか検討しましょう。ただ中域が重なり過ぎて曇った音になりがちなのでEQで整えたりもしています。
4はSpliceなどでリズム隊などを補強する考え方です。下に参考記事も載せているのでイメージがあまりない場合は確認してみてください。
5は書きたかっただけです。まぁ良く聞こえたら良いんじゃないでしょうか…。
4,
全体
- BPMは適切か
- 伴奏がメロディとぶつかりすぎていないか
- 不要な音はないか
- ヒューマナイズは必要か
- FXは足りているか
- 適当に付けたプロジェクト名を曲名にしようとしていないか
1はMIX前にやるにはかなり過激な方法なのであまりお勧めしませんが、過激な反面、効果が絶大なこともあるので仕上がりがイマイチな場合は考えるのもありかもしれません。やるとしてもリファレンスの曲があってその曲に対して自分の曲がBPMプラマイどのくらいか、というやり方がいいかもしれません。
2は作曲途中でも確認することだとは思いますが、最後に念の為にメロディや伴奏を横並びで確認してぶつかり過ぎていないか確認しましょう。大体は伴奏のボイシングを見直せば解決するかと思いますが、印象が変わることも多いので序盤で確認しておきたいですね。
3はMIX前だからこそできるのだと思いますが、聴いていて少しジャマかなーという音は頑張ってっ作ったとしても無くしましょう。まずは自分が聴いていて心地よいのが一番ですからね…。
4についてはヒューマナイズは人間の演奏に近づけるようにベロシティやタイミングを少しずらしてくれる機能です(大体のDAWは付いてますよね…?)生演奏系の音源を使っているなら必要かどうか判断して使いましょう。やれば良い、というものでもないので。
5については参考記事を確認していただけると幸いです。少しFXを加えるだけで楽曲のクオリティがグンと上がる可能性があるので積極的に使ってみましょう。
6は大事なことだと個人的に思っています。プロジェクト名って目にする頻度が高いので曲名とか雰囲気とかが引っ張られることがあると思っています。なのでプロジェクト名をそのまま曲名にしようとしている場合は「本当にそれでえぇんか?」と一度心に聞いてみましょう。ちなみに私が作る場合はプロジェクト名を敢えて無機質な感じにしています(Vocalo_連番、Audiostock_連番など)
5,
さいごに
全て見直した後にもう一度聴き心地が悪いところがないかをチェックしましょう。少し変えるだけで作った曲が良くなることもたくさんあると思いますので。
本記事は以上になります。
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