こんな悩みをお持ちの方向けです。
こちらの記事はシリーズものになっておりますので下記の記事をまだご覧になっていない場合は合わせてご確認いただければと思います。
本記事では簡単にMIXをして、楽曲の書き出しまでの工程を説明します。MIXは簡単にしか触れないのは、MIXというのは深すぎるし答えもないし魔境みたいな作業だからです。ただ”こういう考え方でやっています”というのは記してあるので、簡単とは言えど役には立つと思います。それでは早速MIXを行っていきましょう。
MIXについて
まず初めに今回の使用している音の各音域の方向性について考えておきます。ちなみにこれらは作曲の音選び段階に考えておくと曲もスッキリして、MIXも楽になります。
- トラック1:伴奏。中域から高域が出ていると助かる。低域はベースに任せたい。
- トラック2:ベース。アタックを残しつつ低域が出ていること。音が急に飛び出るのは抑えたい。
- トラック3:ドラム。本来であれば全ての音別々にMIXする必要がある。今回は一緒にやってしまうので低域はベースとうまくいくよう、中域はメロディとの兼ね合い、高域は金物が優しく聞こえるように頑張る。
- トラック4、5:メロディ等。まったりした音なので抜けを良くしたい。そのために低域はカットして様子を見ながら少し高域をブーストする。トラック4と合わせて聴きながら重くなりすぎないようにする。
- トラック6:ボーカル。低域から中域をスッキリ。音抜けを良くしたい。
トラック1:伴奏
トラック1:伴奏。中域から高域が出ていると助かる。低域はベースに任せたい。
とのことなのでEQ(イコライザー)で整えていきましょう。EQは色んなツマミで各音域の音量を調整できるプラグインです。Studio Oneには”Pro EQ”というEQが付属しておりますが、グラフィカルに確認しながらEQを掛けられるのでわかりやすくて良いです。ということで早速トラックに追加していきましょう。コンソールを表示して”インサート”の”+”を押して”Pro EQ”を追加します。
追加したら以下の画面が表示されるので、下図を参考にEQの設定をしていきましょう。最初なのにややこしい設定にしてますね・・・。
次に”OTT”も挿しておきましょう。”OTT”はお気持ち程度で。ピンク色枠に囲まれたツマミを操作して設定を変えていきましょう。
トラック2:ベース
トラック2:ベース。アタックを残しつつ低域が出ていること。音が急に飛び出るのは抑えたい。
まずはEQの設定を下図を参考にしてみましょう。今回は時に削る気はなかったのですが、一番音が高くなる時に前に出過ぎる感じがあったのでその部分だけ少し削っています。個人的には100Hz〜200Hz辺りは丁寧にしないとごちゃごちゃすると思っている、というのもあります。あと今回は使ってませんが、EQで削るよりはマルチバンドコンプレッサーを使った方が個人的に好きです。
次に”Compressor”(コンプレッサー)を挿してみましょう。俗にコンプと呼ばれているものです。コンプの効果としては音量が飛び出る音を圧縮(コンプレッション)します。故に音量が一定に保たれるということですね。
少しだけプラグインの説明をすると左の”Threshold”、”Ratio”、”Knee”で音の圧縮仕方、”Attack”はコンプが立ち上がる速さ、”Release”はコンプが立ち上がった後の継続時間という感じです。最初の三つについては再生しながら色々いじってみると圧縮しているイメージが掴めると思うのでいじってみましょう。
トラック3:ドラム
トラック3:ドラム。本来であれば全ての音別々にMIXする必要がある。今回は一緒にやってしまうので低域はベースとうまくいくよう、中域はメロディとの兼ね合い、高域は金物が優しく聞こえるように頑張る。
ドラムについては”EQ”→”Compressor”→”EQ”の順番で挿していきます。私が”EQ”を2回挿す理由としては
- 1つ目:コンプ前に音を整える(不要な帯域を削る、音量調整をする)
- 2つ目:コンプの影響で持ち上がった不要な音を削る。再度音量調整。
という感じです。今回は挿してないですが、私は普段ほぼ全トラックこの挿し方しています。ということで設定してきましょう。
1つ目のEQ。音がこもり気味だったので少しだけハイをブーストしています。
Compressorはこんな感じ。ドラムなどのパーカッション系は叩いて音を出すという特性上、アタックが強いものが多いので”Attack”を少し早めにして、ほんのりかかるようにして”Reduction”(減音)が”-3db”ぐらいになるように設定しています。
2つ目のEQ。後から聞いてバスドラムの低音が欲しかったので少しだけ低音をブーストしています。
トラック4、5:メロディ等
メロディの音抜けを良くしようとしたわ私の技量ではEQ等々でどうにも出来なかったので発想を転換、リバーブで解決します。そうインストールした”Valhalla Supermassive”の出番です。と、その前に今回は2つのトラック一気に操作したいのでグループ化したトラックを作りましょう。Shiftを押しながらトラックを選択すると複数選択できるので、選択したら右クリックして”選択されているチャンネルのパスを追加”を選択しましょう。
するとバスチャンネルが追加されるので、追加されたところのインサートに”Valhalla Supermassive”を追加しましょう。
“Valhalla Supermassive”の設定は下図を参考に。これで音抜けが良く、ふくよかな音になりましたね。
トラック6:ボーカル
トラック6:ボーカル。低域から中域をスッキリ。音抜けを良くしたい。
ボーカルは少し”EQ”で整えたら”Delay”をかけて”Reverb”かけます。
まずは”EQ”の設定から。低音を削るだけにしています。
次にStudio One付属の”Analog Delay”を使用します。設定は下図を参照してください。左上の”TIME”はノブの下にある”SYNC”の赤いランプをクリックするとms表示になります。このUIキレイで好きです。
最後にReverbの設定です。最初に右下の「PRESET > REVERBS > B-Midium > Bright Room」を選択してから他の設定をいじりましょう。
音量調整
最後に音量調整をしましょう。下図を参考にしてください。いやぁ結構大変でしたね。6トラック、40秒の曲で簡単にMIXしようとしてもこれですからね。
あとマスタートラックにStudio One付属の”Limiter”を挿しています。”Limiter”は音量を上げてくれるプラグインだと思ってくれて大丈夫です。こちらも中身の確認してみましょう。設定としてはそこまで音を潰さないようにしています。
それでは整ったので最後に合わせて聴いてみましょう。
どうでしたでしょうか。まとまりが出てキレイに聴こえるようになったのではないでしょうか。私もMIXの鍛錬を日々行なっているので、そう聴こえていることを願っております・・・。
楽曲の書き出し
それでは曲を書き出していきましょう。曲を書き出す前に少し設定を行います。トラックの上の部分にレンガの壁(?)みたいなマークがあるのでそこをクリックして”マーカー”を選択します。
するとトラックの上にマーカーを置けるようになるので、曲の最初と終わりにマーカーを配置しましょう。後々のために少し余裕を持って4小節目、23小節目とかに置くのがおすすめです。
そうしたら一回書き出してみましょう。”ソング”メニューから”ミックスダウンをエクスポート”か”Command + E”でエクスポート画面を開きます。
するとエクスポートをするダイアログが表示されるので以下を確認してエクスポートします。
エクスポートが完了すると指定した場所、指定したファイル形式でファイルが完成します。今回はWaveファイルなので”.wav”形式です。ファイルを開いて聴いてみましょう!
本記事はこれにて終了です。曲が形になりましたね!投稿まで後少し!一気に駆け抜けていきましょう!次の記事は↓になります。
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