こんな悩みをお持ちの方向けです。本記事はVITALのマニュアルを元に記載しております。
こちらの記事はシリーズものになっておりますので下記の記事をまだご覧になっていない場合は合わせてご確認いただければと思います。
本記事では使い方、というよりも各機能の説明になりますのでマニュアル的な使い方をしていただくのが効果的です。まだシンセサイザーに慣れていない方でもサラッと読むだけで今後の知識が入りやすくなると思いますのでメニューから気になる部分をサラッとスクロールしてみてください。
それでは早速、各機能について説明していきます。
基本情報
VITALの基本的な動かし方について説明をします。主に下記の部分についての説明になります。
サイズ調整
“V”のマークをクリックするとサイズ調整が出来ます。
クリックした後に下図のようなダイアログが表示されるのでお好みのサイズを選択して使用しましょう。
ナビゲーション
上部のタブによってシンセサイザーの画面表示を切り替えます。
各画面で設定できる内容は以下の通りです。
VOICE:オシレーター、サンプラー、フィルター
EFFECTS:9種類のエフェクター
MATRIX:モジュレーションマトリクス(各パラメーターの連動設定)
ADVANCED:高機能なオシレーターと全体に関わるグローバルなオプション
プリセット
①プリセットセレクター
ここを選択するとプリセットを選択するダイアログが開きます。左下に検索機能、右側にプリセットの一覧が表示されるので使用したいプリセットを選択すれば設定が適用されます。①の枠の左端、右端にある”<“、”>”を選択すると一つ前、一つ後のプリセットに移動することが出来ます。
②保存
現在の設定をUSERフォルダにプリセットとして保存することができます。
③オプション
- Browse Presets:プリセットブラウザを開きます(①と同様)
- Save Preset:プリセットを保存します(②と同様)
- Open External Preset:プリセットファイルを指定して開きます。
- Export Preset:プリセットファイルをエクスポートします。
- Import Bank:フォルダ指定でプリセットファイル群をインポートします。
- Export Bank:フォルダ指定でプリセットファイル群をエクスポートします。
- Inialize Preset:初期設定に戻します。
- Load Tuning File:チューニングファイルを読み込みます。ADVANCEDにて後述。
- Log Out:Vitalのアカウントをログアウトします。
パラメーター調整方法
Vitalのパラメーターは以下の5種類の方法によって設定が可能です。
①ノブ
②スライダー
③整数フィールド
④パーセントフィールド
⑤テキストフィールド
- マウスでクリックしてドラッグすることでパラメータを調整できます。
- Command(CTRL)を押しながらクリックしてドラッグすると微調整が可能です。
- option(ALT)を押しながらノブをクリックすると、そのパラメータの値が表示されます。この値に手動で新しい特定の値を入力するには、その値を上書きしてください。
- テキストボックスが開いた後、値の変更をキャンセルするには、テキストボックス内のすべての文字を削除します。あるいは、代わりにパラメータを右クリックして”Enter Value”を選択します。
- パラメータをダブルクリックすると、ノブがデフォルト値に戻ります。代替として、パラメータを右クリックして”Set to Default Value”を選択することもできます。
VOICE(音色)
VOICEセクションは3つのウェーブテーブル オシレーター、1つのサンプラー、2つのフィルターから成り立っています。各オシレーターは他のオシレーター、サンプラーからリングモジュレーション(波形の掛け合わせ)が可能です。フィルターはオシレーター、サンプラー、もう一方のフィルターに適用することが可能です。
オシレーター
まずはオシレーターの説明です。説明の便宜上、下図の連番がオシレーター1と2に跨っておりますがご了承ください。
①アクティベーター:使用するオシレーターはこれをオンにします。
②LEVEL:音量
③PAN:パンニング(音の左右の振り分け)
④PITCH:ピッチ設定
⑤ルーティング
⑥ウェーブテーブル ビュー
⑦ユニゾン設定
⑧フェーズ設定
⑨オシレーターモジュレーションノブ(左)
⑩オシレーターモジュレーションノブ(右)
ピッチ設定
④の補足です。左側のピッチ調整は、入力されるMIDIノートをそのセミトーン数だけ調整します。
デフォルトでは0に設定されているため、オシレーターは入力されるMIDIノートをそのまま再生します。右側のピッチ調整は、入力されるMIDIノートをそのセント数だけ調整します。100セントが1セミトーンです。これもデフォルトでは0に設定されているため、オシレーターは入力されるMIDIノートをそのまま再生します。
“PITCH”というの下にあるキーボードを押すことによって、トランスポーズスナップ設定を開きます。上図のようにキーボードが開いたら、左側のピッチ調整ノブを制限したい特定のセミトーンを選択します。セミトーンが選択されると、紫色に点灯します。セミトーンが選択されていない場合、すべてのセミトーンが許可されます。
例として、オシレーターを0または7セミトーン(完全5度)だけ調整したい場合、CキーとGキーを点灯させます。この状態で左側のピッチ調整をドラッグして数字を変化させていくと、4から9の数字はMIDIノートを7セミトーン調整し、その他の数字はオシレーターのピッチを変更しません(なぜ4から9かというと0と7の真ん中が4、7と12の真ん中が9であるためです。どうやらトランスポーズを変更した際に滑らかにピッチ変更がされるように選択したキーの中心の数字で音が変わるような挙動になっている)
左側のピッチ調整をLFOで変調すると、アルペジオ音を作成できます。スケールの音をいくつか選択するのがおすすめです。
“Global Snap”はトランスポーズスナップと似た設定ですが、MIDIノート側を制御する設定になっています。考え方は先ほどのトランスポーズスナップ設定と同じで、トランスポーズの数字変更をMIDIノートに見立てたものとなっています(下図参照)
ルーティング
⑤の補足です。ピッチレベルとパンコントロールの下には、ルーティングコントロールがあります。各オシレーターは、フィルター1、フィルター2、フィルター1&2、エフェクト、またはダイレクトアウトのいずれかにルーティングすることができます。またルーティングの選択によって以下のような挙動になります。
- フィルターの選択肢のいずれかが選択されると、信号はフィルターの後にエフェクトラックに流れます。
- フィルターの選択肢が選ばれていて、フィルターがオンになっていない場合、信号はフィルターが適用されずにエフェクトラックに流れます。
- ダイレクトアウトが選ばれた場合、オシレーターの出力はフィルターやエフェクトが適用されずにシンセから出力されます。
ウェーブテーブル ビュー
①ウェーブテーブル ビジュアル
②ウェーブテーブル セレクター
③ウェーブテーブル ビジュアルセレクター
④ウェーブテーブル スライダー
⑤ウェーブテーブル エディター
各オシレーターの中央には、ウェーブテーブルビューがあります。ウェーブテーブルは、ウェーブテーブルセレクターをクリックし、左側のフォルダーを選択し、その後右側で特定のウェーブテーブルを選択することで選べます。特定のウェーブテーブルの隣にある星のアイコンをクリックすると、その星が紫色になり、ウェーブテーブルはお気に入りフォルダーに追加されます。
ウェーブテーブルビジュアルセレクターをクリックして、ウェーブテーブルの表示を変更します。表示方法には以下の3通り存在します。
- 2D:ウェーブテーブルの現在のフレームの2次元ビューを表示します。
- 3D:ウェーブテーブルのすべてのフレームを鳥瞰する3次元ビューを表示し、現在のフレームをハイライトします。
- SP(スペクトラル):ウェーブテーブルの倍音を表示します。ウェーブテーブルスライダーはウェーブテーブルフレーム間をスライドします。
ウェーブテーブル エディター
ウェーブテーブルエディターをクリックすると、ウェーブテーブル編集ウィンドウが開きます。これにより、ウェーブテーブル内の任意のフレームの波形や個々の倍音を編集することができます。このセクションについてはいくつか分かりやすい動画があるので紹介させていただきます。
ユニゾン・フェーズ設定
UNISON設定の左側では、ユニゾンボイスの数を1から16までの任意の整数に設定できます。 多くのユニゾンボイスを使用すると、CPUの使用量が増え動作が重くなる事があるそうです(私は不便したことはないです)。
UNISON設定の右側には、ユニゾンボイスに適用されるDetuneの割合があります。 0%の値はDetuneを適用しません。(ただし、ユニゾンは異なるボイスの位相により音に影響を与えることがあります。) 100%の値は、詳細なオシレーター設定で設定されたDetuneの全量を適用します。 デフォルトのデチューン範囲は2セミトーンです。つまり、2セミトーン上と2セミトーン下になります。
PHASE設定の左側では、波形の開始位置を選択できます。 位相180度は波形の中央から開始します。位相0度は波形の最左端から開始します。 位相360度は波形の最右端から開始します。波形は繰り返されるため、これは0度と同じです。
PHASE設定の右側には、位相ランダマイズ設定があります。オシレーターは、位相開始角度の周囲のx%の範囲内でランダムな位相から波形を開始します。 例えば、位相開始角度が180度に設定され、位相ランダマイズが50%に設定されている場合、波形は90度から270度の範囲内でランダムに開始します。デフォルトで設定されているように、位相ランダマイズが100%に設定されている場合、位相開始位置セレクターは無関係になります。 位相ランダマイズが0%に設定されている場合、位相は常に選択された波形の正確な角度から開始します。
オシレーターモジュレーションノブ
左側のモジュレーションノブは、さまざまなアルゴリズムを使用して波形の形状を変形します。
右側のモジュレーションノブは、波形の形状を変形するための追加のアルゴリズムを持っていますが、別のオシレーターやサンプラーを入力として使用して周波数変調(FM)やリング変調(RM)を行うオプションも含まれています。
左のノブの波形変化アルゴリズム
- Vocode:波形の変化(Formant Scaleよりも変化が小さい)
- Formant Scale:波形の変化(Vocodeよりも変化が大きい)
- Harmonic Stretch:基本倍音をそのままにし、他のすべての倍音を倍音系列に沿って上下に移動させます。(倍音が基本倍音以下になることは許されません)
- Inharmonic:基本倍音をそのままにし、他のすべての倍音を倍音系列に沿っていない方向に上下に移動させます。(倍音が基本倍音以下になることは許されません)
- Smear:波形を変形させることで低次の倍音を取り除きます。
- Random Amplitudes:波形の各部分の振幅をランダム化しますが、一定の連続性を保持します。純粋なランダムではありません。
- Low Pass:波形にローパスフィルターを適用します。ノブを完全に左に回すと、基本倍音のみが残り、サイン波になります。
- High Pass:波形にハイパスフィルターを適用します。ノブを完全に右に回すと、人間の聴覚範囲内のすべての倍音が取り除かれ、無音になります。
- Phase Disperse:波形の位相を拡散させます。水平方向に波形をランダムに広げるイメージです。
- Shepard Tone:Shepard Toneは、無限にピッチが上昇し続けるように聞こえる音です。この聴覚的な錯覚は、音がピッチが上昇しており、その下のオクターブの音がゆっくりとフェードインしていく間に徐々に消えていくときに起こります。ノブをゆっくり左から右にドラッグすると、この聴覚的な錯覚を演出します。
- Spectral Time Skew:ウェーブテーブル位置間の倍音を変形させます。
右のノブの波形変化アルゴリズム
- Sync: 波形を繰り返し、波形を縮小します。これにより、他の音符を演奏せずに、音程が比較的スムーズにオクターブで上昇します。
- Formant:波形を繰り返し、波形を縮小しますが、0度または360度に近づくにつれて波形の振幅が0に近づくようにします。これはSyncに類似していますが、dc offset関連の手間を無くすためです。
- Quanze:波形をグリッドにします。ノブを右に回すほど、グリッド幅が大きくなります。これは基本的にビット/サンプルのリダクションです。
- Bend:波形を180度で挟み込み、残りの波形をノブを回す方向に応じて右または左に変形させます。
- Squeeze:波形を0度、180度、および360度で挟み込み、残りの波形をノブを回す方向に応じて右または左に変形させます。
- Pulse:パルス幅変調。波形を0度で挟み込み、波形をこの点に縮小します。追加された波形の領域は平らになります。
- Frequency Modulation(FM):現在のオシレーターを別のオシレーターまたはサンプラーの周波数で再生します。これにより、独特のハーモニック特性を持つ複雑なサウンドが生じ、現代のサウンドデザインで広く使用されています。FMについての詳細は以下の動画をご覧ください。
- Ring Modulation(RM):現在のオシレーターを、別のオシレーターまたはサンプラーから振幅変調して再生します。RMについての詳細については、以下の動画をご覧ください。
サンプラー
①アクティベーター:使用する場合はこれをオンにします。
②LEVEL:音量
③PAN:パンニング(音の左右の振り分け)
④PITCH
⑤ルーティング
⑥サンプル ビュー
⑦サンプル プレイバック オプション
PITCH
④の説明です。左側のピッチ調整は、サンプルを指定した数のセミトーンだけ調整します。 デフォルトでは0に設定されているため、サンプルをそのまま再生します。 右側のピッチ調整は、サンプルを指定した数のセントだけ調整します。100セントで1セミトーンです。 デフォルトでは0に設定されているため、サンプルをそのまま再生します。 ピッチを上げたり下げたりすると、サンプルが速くなったり遅くなったりすることに注意してください。グラニュラのオプションはありません。
“PITCH”の下にあるキーボードをクリックすると、トランスポーズスナップ設定が開きます。 機能としてはオシレーターのトランスポーズスナップと同様で、サンプラーに適用される機能になります。
ルーティング
⑤の説明です。サンプラーはフィルター1、フィルター2、フィルター1&2、エフェクト、またはダイレクトアウトのいずれかにルーティングすることができます。
ルーティングのフィルターオプションについては以下のように挙動します。
- フィルターオプションのいずれかが選択されている場合:信号はフィルターの後にエフェクトラックに流れます。
- フィルターオプションが選択されているがフィルターがオンになっていない場合:信号はフィルターが適用されずにエフェクトラックに流れます。
- ダイレクトアウトが選択されている場合:オシレーターの出力はフィルターやエフェクトが適用されずにシンセサイザーから出力されます。
サンプル ビュー
⑥の説明です。サンプルビューには、サンプルの選択機能と、選択されたサンプルの波形画像が含まれています。サンプルが再生されると、再生された波形の部分がハイライトされます。
サンプルは、サンプルのタイトルをクリックし、左側のフォルダを選択してから、右側の特定のサンプルを選択することで選ぶことができます。特定のサンプルの横にある星のアイコンをクリックすると、星が紫色に変わります。そのサンプルはお気に入りフォルダに追加されます。
サンプル プレイバック オプション
⑦の説明です。サンプラーの右側にはサンプル再生オプションがあります。オプションについては以下の4種類があります。
- キートラッキング(左上):これを有効にすると、サンプルは再生されるMIDIノートに応じたピッチで再生されます。サンプルのピッチを上げたり下げたりするために速度が速くなったり遅くなったりすることに注意してください。デフォルトのようにキートラッキングが無効の場合、サンプルは元のピッチと速度で再生されます。
- シャッフル(右上):シャッフルを有効にすると、MIDIノートが再生されるたびにサンプルがランダムな場所から再生されます。
- ループ(左下):ループを有効にすると、サンプルが無限にループ再生されます。
- バウンスバック(右下):バウンスバックを有効にすると、サンプルが順方向に再生された後、逆再生されます。
フィルター
①アクティベーター
②フィルタータイプ
③フィルタービジュアル
④Cutoff Frequency
⑤Resonance
⑥Filter Type Blend
⑦インプットルーティング
⑧ドライブ、ミックス、キートラックノブ
フィルター1,2については、フィルターの左上隅にあるアクティベーターを使ってオンまたはオフにできます。オンにするとフィルターが点灯し、オフにするとフィルターは暗く灰色になります。
各フィルターの中央には、ビジュアルがあり、その周りにはフィルターの”Cutoff Frequency”、”Resonance”、および”Filter Type Blend”を制御する3つのスライダーがあります。”Formant”、”Comb”、”Phaser”のフィルタータイプには異なるスライダーがある場合があります。
④”Cutoff Frequency”は、フィルタリングが開始される周波数を設定します。⑤”Resonance”は、カットオフ周波数でピークのレベルを調整します。レゾナンスを高く設定すると、フィルターが自己発振を開始し、カットオフ周波数のピッチが聞こえるようになります。”Cutoff Frequency”と”Resonance”は、フィルターのビジュアルをクリックしてドラッグすることで同時に調整できます。
⑥”Filter Type Blend”は、1つのタイプのフィルターから別のタイプのフィルターへスムーズに移行します。 通常、各特定のフィルターにはスライダーの異なる位置に対応する2~3種類のフィルターがあります。 例えば、デフォルトフィルターである”Analog: 12dB”は、スライダーをドラッグすることでローパスフィルターからバンドパスフィルター、ハイパスフィルターへとスムーズに移行します。
⑦インプットルーティングは、これらのオプションを使用して、任意のオシレーター、サンプラー、または他のフィルターをフィルターにルーティングできます。 何かがフィルターにルーティングされると、テキストがオレンジ色に点灯します。オシレーターまたはサンプラーがフィルターからルーティング解除されると、自動的にエフェクトラックにルーティングされます。
⑧ドライブノブは、フィルターが適用された後に少量の飽和を追加します。 ミックスノブは、フィルターとドライブノブのドライ/ウェット信号を調整します。キートラッキングノブは、受信するMIDIノートに応じてフィルターのカットオフ周波数を調整します。100%に設定すると、カットオフ周波数は受信するMIDIノートと完全に対応します。
以下に例を示します。カットオフ周波数を1046.4Hzに設定します(これはデフォルト値の261.6Hz(中央C)の4倍です)、そしてキートラッキングを100%に設定します。 ノートを再生し、レゾナンスを100%にゆっくりと回します。 すると、フィルターの自己発振が2オクターブ上でどのノートを再生しても完璧に調和するのが聞こえます。 1オクターブの自己発振には、カットオフ周波数を523.2Hzに設定します。 ユニゾンの自己発振には、カットオフ周波数をデフォルト値に設定します。 完全五度上の自己発振には、カットオフ周波数を392.4Hzに設定します(非常にピッチの高いMIDIノートでは丸め誤差のためにうまく機能しません)キートラッキングの負の値は、ピッチが高くなるとカットオフ周波数を低く、ピッチが低くなるとカットオフ周波数を高く設定します。
フィルタータイプ
②のAnalog、Dirty、Ladder、Digitalについて。LadderはMoogのトランジスタラダーフィルターを模倣することを目的としています。
- 12dB:カットオフ周波数から1オクターブ離れるごとに周波数は12dB静かになります。オクターブは周波数値の半分または2倍のいずれかです。ローパス、バンドパス、ハイパスフィルターの間をブレンドします。
- 24dB:カットオフ周波数から1オクターブ離れるごとに周波数は24dB静かになります。24dBフィルターは12dBフィルターの2倍の傾斜を持ちます。ローパス、バンドパス、ハイパスフィルターの間をブレンドします。
- Notch Blend:ローパス、ノッチ、ハイパス24dBフィルターの間をブレンドします。
- Notch Spread:バンドパスとノッチ24dBフィルターの間をブレンドします。このブレンドの中央には興味深いダブルノッチフィルターがあります。
- B/P/N:Band Peak Notch。バンドパス、ピーク、ノッチフィルターの間をブレンドします。
②のDiodeについて。Diodeは、Rolandのダイオードラダーフィルターを模倣することを目的としています。Acid Houseのベースサウンドの雰囲気です。
- Lowshelf:ローパスとバンドパスフィルターの間をブレンドします。
- Lowcut:ローパスとバンドパスフィルターの間をブレンドします。カットオフ周波数が十分に高く設定されている場合、サブ周波数はカットされ、カットオフ周波数でわずかなピークが生じます。
②のFormantについて。Formantは、人間の声が母音を発音する方法を模倣することを目的としています。これは通常、高いピークと低い谷が互いに近づくことで形成されます。
フォルマントフィルターでは、前述のフィルタータイプとは異なる多くのコントロールがあります。ブレンドスライダーはフォルマントトランスポーズスライダーに置き換えられます。これにより、ピークと谷が指数関数的に同時に移動します。
⑤Resonanceと④Cutoff FrequencyはフォルマントXおよびYスライダーに置き換えられます。
これにより、ピークと谷の関係が変化し、異なる母音を生成することができます。
⑧ドライブノブはピークノブに置き換えられます。これは、ピークと谷のレゾナンスノブのようなものです。
⑧キートラックノブはスプレッドノブに置き換えられます。左に回すと、すべてのピークと谷が広がります。右に回すと、ピークと谷がバンドパスフィルターに収束します。
②のCombについて。Combは一連のノッチフィルターです。通常、指数関数的に離れて配置されるか、またはハーモニクス系列の一部として配置されます。Combは、フランジャーが位相キャンセルを用いる方法により、フランジャーと同じ音を実現できます。ただし、Combとフランジャーは異なる目的を持ち、異なるアプローチを取る2つの別個のツールです。そのため結果として同じ効果を達成できる場合もありますが、それぞれの使用法が異なります。
Combではドライブノブがカットノブに置き換えられています。カットノブは、選択された特定のCombフィルターアルゴリズムに応じて異なる動作をします。このノブは、Combフィルターの後にローパス、バンドパス、またはハイパスフィルターを制御するために使用できます。または、特定のCutoff Frequencyから始まるコンブフィルターのドライ/ウェットパラメータを制御するためにも使用できます。
負のCombフィルターは、遅延音が元の音と反転しているフランジャーを模倣します。正のCombフィルターは、遅延音が元の音と反転していないフランジャーを模倣します。正のCombフィルターは、偶数次高調波が多く発生し、負のCombフィルターは奇数次高調波が多く発生します。
②のPhaserについて。Phaserはノッチが少ないCombフィルターです。
ブレンドは、フィルター内のノッチの量を調整します。ネガティブは、遅延音が元の音と反転しているフェーザーを模倣します。ポジティブは、遅延音が元の音と反転していないフェーザーを模倣します。ポジティブは、偶数次高調波が多く発生し、ネガティブは奇数次高調波が多く発生します。
モジュレーション・マクロ
Vitalのパラメータは、エンベロープ、LFO、ランダム性、マクロなどを含むさまざまな方法でモジュレーションできます。Vitalでは、ほぼすべてのパラメータにモジュレーターを追加できます。モジュレーションスクエアはVitalの空のボックスです。モジュレーションスクエアの例として、Vitalの左側にあるいくつかのボックスが当たります。
パラメータにモジュレーションを追加するには、モジュレーションスクエアにカーソルを合わせてから、モジュレーションを任意のパラメータの上にドラッグ&ドロップします。
モジュレーションがパラメータに適用されると、以下のことが起こります。
- モジュレーションスクエアにモジュレーションサークルが表示されます。
- マウスがモジュレートされたパラメータの上にあるときに同じモジュレーションサークルが表示されます。
- モジュレーションスクエア内のモジュレーションサークルをクリックすると、対応するモジュレーションサークルも表示されます。
- MIDIノートが再生されると、パラメータに適用されているモジュレーションの量を示すシアンの線または曲線が表示されます。
- 複数のモジュレーションソースを持つモジュレートされたパラメータの上にマウスを置くと、各モジュレーションソースのモジュレーションサークルと説明ラベルが表示されます。
モジュレーションサークルをクリック&ドラッグすると、モジュレーションの量を増減できます。モジュレーションサークル内の円グラフは、モジュレーション量の視覚的な表示です。また、パラメータ上にシアンの線または曲線が表示され、モジュレーション量を視覚化します。
Command(CTRL)を押しながらモジュレーションサークルをクリック&ドラッグすると微調整が可能になります。option(ALT)を押しながらモジュレーションサークルをクリック&ドラッグすると、モジュレーション量を特定の値として入力できます。
モジュレートされたパラメータを右クリックすると、個別のモジュレーション元の接続を解除するオプションや、すべてのモジュレーション元の接続を一度に解除するオプションが表示されます。
モジュレーションスクエアを右クリックすると、個別のモジュレーション先の接続を解除するオプションや、すべてのモジュレーション先の接続を一度に解除するオプションが表示されます。
モジュレーションサークルを右クリックすると、以下のオプションが表示されます。
- Remove:モジュレーションを削除します(元に戻せないので注意)
- Bypass:モジュレーションを一時的に解除します。
- Make Bipolar:パラメータが元の値を中心に上下対称に動きます。
- Make Unipolar:パラメータが元の値から一方向に動き、戻ります。
- Make Stereo:左チャネルと右チャネルのパラメータを反対方向にモジュレートします。
エンペローブ
エンベロープ1はデフォルトでオシレーターとサンプラーの音量にマッピングされています。これは、別のモジュレーション元をオシレーターまたはサンプラーの音量に適用することでのみマッピング解除できます。エンベロープ1の影響を受けないようにするためには当該のオシレーター(またはサンプラー)のLEVELを0にすることによってエンベロープ1の影響は受けなくなります。そして他モジュレーションをLEVELにアサインすることによってエンベロープ1以外での制御が可能となります。
エンベロープビューの右上隅には虫眼鏡があります。虫眼鏡をクリックしてドラッグすると、エンベロープをズームインおよびズームアウトできます。上にドラッグするとズームインし、下にドラッグするとズームアウトします。時間はx軸に秒またはミリ秒で表示され、縦のグリッドラインがあります。
各エンベロープには、エンベロープビューの下部に6つのパラメータがあります。これらのパラメータは、DELAY、ATTACK、HOLD、DECAY、SUSTAIN、RELEASEです。これらのパラメータは、ノブをクリックしてドラッグすることで調整できます。また、ディスプレイ上の点をクリックしてドラッグすることでも調整できます。閉じた点は線分の終点を調整し、開いた点はカーブを調整します。
- DELAY:MIDIノートが再生されてからエンベロープが開始するまでの時間(秒単位)です。
- ATTACK:エンベロープが開始値から最大値に到達するまでの時間(秒単位)です。
- HOLD:MIDIノートがまだ再生されている場合に、エンベロープが最大値に留まる時間(秒単位)です。
- DECAY:ホールド時間の後、MIDIノートがまだ再生されている場合に、エンベロープが最大値からサスティンレベルに到達するまでの時間(秒単位)です。
- SUSTAIN:最小値と最大値の間の%エンベロープ値です。MIDIノートがまだ再生されている場合に、ディレイ、アタック、ホールド、ディケイ時間の後にサスティンレベルに到達して保持されます。MIDIノートが早期にリリースされると、レベルはすぐにサスティンレベルに移動します。
- RELEASE:MIDIノートがリリースされてからエンベロープがサスティンレベルから最小レベルに移動するまでの時間(秒単位)です。
LFO
①LFO Modulation Squares
②LFO Shape Chooser
③LFO Shape Visual
④ブラシツール
⑤グリッド設定
⑥LFO Phase Slider
⑦LFO Mode Chooser
⑧Frequency Settings
⑨Smooth Knob, Delay Knob, and Stereo Knob
LFO Shape Chooser
特定のLFO Shapeは、右上隅のLFO Shape Chooserをクリックして選択できます。左側のフォルダを選択し、右側で特定のLFOシェイプを選択します。特定のLFOシェイプの横にある星のアイコンをクリックすると、星が紫色に変わります。そのLFOシェイプはお気に入りフォルダに追加されます。
LFO Shape Visual
LFO Shape Visualは、LFOによってパラメータがどのように変調されるかを示します。表示の下部が最小値、上部が最大値です。ノートが再生されると、LFO Shape VisualはLFOがサイクルのどの部分にいるかをハイライトします。白丸ドットをクリックしてドラッグすると、LFOの制御ポイントを操作できます。白丸ドットはグリッドの近くでドラッグするとグリッドにスナップします。黒丸ドットをクリックしてドラッグすると、ドット間のカーブを制御できます。
Shiftキーを押しながら任意の黒丸ドットをクリックしてドラッグすると、すべてのカーブを一度に制御できます。
空白をダブルクリックすると、白丸ドットを追加できます。既存の白丸ドットをダブルクリックすると、それを削除できます。
LFOシェイプの選択ツールの左側にある波線をクリックすると、LFOシェイプ内のすべての角度を滑らかにできます。
ブラシツール
ブラシアイコンをクリックしてブラシツールを有効にします。有効にすると、ブラシアイコンがハイライトされます。ブラシアイコンの右側にある形状をクリックして、描画するブラシの形状を選択します。ブラシツールが有効な間にLFO Shape Visual内をクリックすると、マウスの高さに応じて、各水平グリッドの間にブラシ形状が描画されます。LFO Shape Visualをクリックしてドラッグすると、全体を簡単に描画できます。マウスがLFO表示上にあるときにCommand(CTRL)を押し続けると、ブラシツールをオンとオフに切り替えることができます。
グリッド設定
左側のグリッド番号は水平グリッド線の数を決定します。右側のグリッド番号は垂直グリッド線の数を決定します。
LFO Phase Slider
LFO Shape Visualのすぐ下にはLFO Phase Sliderがあります。デフォルトでは、このLFO Phase SliderがLFO形状の開始位置を決定します。ただし、これはLFOモードによって異なります。
LFO Mode Chooser
LFOディスプレイの下部には、LFO Mode Chooserがあります。Vitalでは、以下のLFOモードが利用可能です。
- Trigger:MIDIノートが再生されるたびに、LFOはLFO Phase Sliderの位置から開始されます。LFOが形状の終わりに達すると、LFOは形状の先頭から再び開始されます。
- Sync:プロジェクトのBPMに応じて、LFOはLFO Phase Sliderの位置から開始されます。LFOが形状の終わりに達すると、LFOは形状の先頭から再び開始されます。
- Envelope:MIDIノートが再生されるたびに、LFOはLFO Phase Sliderの位置から開始されます。LFOが形状の終わりに達すると、モジュレーションは停止します。
- Sustain Envelope:MIDIノートが再生されるたびに、LFOは形状の先頭から開始されます。LFOがLFO Phase Sliderに達すると、モジュレーションは停止します。
- Loop Point:MIDIノートが再生されるたびに、LFO形状はLFOの先頭から開始されます。LFOが形状の終わりに達すると、LFOはLFO Phase Sliderの位置から再開します。
- Loop Hold:MIDIノートが再生されるたびに、LFO形状はLFOの先頭から開始されます。LFOがLFO Phase Sliderの位置に達すると、LFOは形状の先頭から再開されます。
Frequency Settings
LFO Mode Chooserの右側には、LFO周波数設定があります。これらの設定の左側をドラッグして周波数を調整します。
これらの設定の右側をクリックして周波数レートのスタイルを調整します。以下に周波数レートのスタイルの説明があります。
- Seconds:秒単位でリピートします。
- Tempo:BPMの拍の感覚でリピートします。
- Tempo Dotted:テンポと同様ですが付点音符単位になります(8分→付点8分)
- Tempo Triplets:テンポと同様ですが3連符単位になります。
- Key track:周波数は入力されたMIDIノートの周波数に設定されます(音の高さで変化します)。このスタイルの場合、LFO Frequency設定の左側でセミトーンまたはセントで入力されたMIDIノートからオフセットされた周波数を設定できます。
LFO Knobs
LFOディスプレイの下部には、3つのノブがあります。
- SMOOTH:指定された時間内にLFOの始まりと終わりをクロスフェードします。”SMOOTH”と書かれた場所をクリックすると、SMOOTHノブをFADE INノブに置き換えることができます。FADE INノブは、LFOがドライから完全にウェットにフェードされる時間を決定します。
- DELAY:MIDIノートが再生されてからLFOが適用されるまでの時間を秒単位で決定します。
- STEREO:左右のチャンネル間でLFOフェーズスライダーのオフセットを可能にします。
ランダム
①Modulation Squares
②Style Chooser
③Frequency Settings
④Visual
⑤Sync Option
⑥Stereo Option
Style Chooser
- Perlin:ケン・パーリンによって開発され、映画Tronのグラフィックスでテクスチャの中に自然なランダム性を作成するために使用されました。このアルゴリズムの作成に対して、パーリンは技術的業績のアカデミー賞を受賞しました。
- Sample & Hold:特定の量を保持し、その後ランダムに別の保持された量にジャンプし、その後さらに別の保持された量にジャンプします。ランダムに保持された量の間には、デジタルアーティファクトやクリックがないようにスムーズな遷移を可能にするための速い(完全に垂直ではない)勾配があります。
- Sine Interpolate:正弦波の振動を中心にしたランダム性。
- Lorenz Attractor:蝶の開いた翼の形をした、繰り返さないランダム性。バタフライエフェクトのような効果が得られるそうです。
Frequency Settings
Frequency Settingsは、前述のSample & Holdのランダム性スタイルに最も適しています。左側をドラッグして周波数を調整します。設定の右側をクリックしてFrequency Settingsのスタイルを調整します。設定内容はLFOの設定と同様です。
Sync Option
“Sync”をクリックすると、オプションが有効になります。Syncがオンの場合、ランダムが前のMIDIノートの終了時から開始されます。Syncがオフの場合、ランダムは各MIDIノートが再生されるたびに開始から始まります。
Stereo Option
“Stereo”をクリックすると、オプションが有効になります。Stereoがオンの場合、ランダムが左右のチャンネルに対して別々に生成されます。
その他モジュレーション
- NOTE:MIDIノート再生の開始時に再生されたMIDIノートに応じて、パラメータを調整します。
- VELOCITY:再生されたMIDIノートの開始時のベロシティに応じて、パラメータを調整します。
- LIFT:再生されたMIDIノートの終了時のリリースに応じて、パラメータを調整します。
- OCT NOTE:ノートに類似していますが、各ノートの調整量はオクターブごとに繰り返されます。
- PRESSURE:MPEプレッシャーに応答します。
- SLIDE:MPEスライドに応答します。
- STEREO:左右のチャンネル用に異なるパラメータ値を設定します。
- RAND:再生された各MIDIノートの開始時に、ランダムな量でパラメータを調整します。
マクロ
マクロは複数のパラメータを一度に制御するために使用できます。Vitalには、シンセの左側に4つのマクロが備わっています。各マクロには、マクロノブと、それに関連するモジュレーションスクエアがあります。マクロと他のモジュレーションソースの唯一の違いは、マクロノブを回して関連するパラメータを変調する必要があることです。マクロノブは、クリックしてドラッグする、別のVitalのモジュレーション元(例:LFO)、DAWオートメーション、またはMIDIコントローラーマッピングを使用して手動で回すことができます。
キーボード
Vitalの下部には、ピッチホイールとモジュレーションホイールが付いたキーボードがあります。MIDIノートが再生されると、キーボード上で紫色にハイライト表示されます。
キーはマウスでクリックして再生することもできます。
ピッチホイールを使用すると、右側のグローバル設定で設定された最大量までMIDIノートを曲げることができます。
ピッチホイールとモジュレーションホイールは、キーボードのコントロールの上にあるピッチホイールとモジュレーションホイールのモジュレーションスクエアを使用してパラメータを変調するために使用できます。
MATRIX
マトリックスメニューは、すべてのアクティブなパラメータモジュレーションのリストと、選択されたモジュレーションのモジュレーション リマップ カーブを表示します。
モジュレーションリスト
- #: 行番号。行番号をクリックすると、番号がXに変わり、Xが再びクリックされるまでこのモジュレーションマッピングがバイパスされます。 Source: モジュレーションソース(LFO、Envelope、Macro、Velocity、Pitch Bendなど…)
- Bipolar: モジュレーションがバイポーラかユニポーラかを決定するスイッチが含まれています。バイポーラは、モジュレーションを元の値から両方向に均等に移動させます。ユニポーラは、モジュレーションを元の値から一方向に移動させます。
- Stereo: モジュレーションがステレオかモノラルかを決定するスイッチが含まれています。ステレオは、左右チャンネルごとに元の値から反対方向にモジュレーションを移動させます。
- Morph: パラメータにモジュレーションが適用される方法を制御するカーブコントロールが含まれています。このカーブとモジュレーションリマップカーブは異なるカーブであり、最終的な結果に両方が適用されます。このカーブは簡単なカーブに使用できますが、モジュレーションリマップカーブは微調整に使用できます。また、両方を組み合わせて使用することもできます。
- Amount: モジュレーション量。負の値は、正の値とは反対方向にモジュレーションを移動させます。
- Destination: モジュレーション先の設定。Vital内の任意のパラメータである。モジュレーションが適用されている間、このセルにシアン色のラインが表示されます。
モジュレーション リマップ カーブ
リスト内の任意のモジュレーションをクリックすると、モジュレーションビューの下部にモジュレーションリマップカーブが表示されます。このビューは、アルペジオやパーカッシブなサウンドを含む興味深い結果を持つユニークなモジュレーションカーブを作成するために使用できます。
①Modulation Remap Curve Chooser
②ビジュアル
③ブラシツール
④グリッド設定
Modulation Remap Curve Chooser
Modulation Remap Curveの種類を選択します。
ビジュアル
最小値はディスプレイの底にあり、最大値は上にあります。音符が演奏されると、モジュレーションカーブはモジュレーションがある部分を強調表示します。白丸をクリックしてドラッグすると、モジュレーションカーブのポイントを制御できます。2つの白丸の間の曲線を制御するには、黒丸をクリックしてドラッグします。
黒丸の上でShiftを押しながらドラッグすると、すべての曲線を一度に制御します。白丸を追加するには、空白のスペースをダブルクリックします。既存の黒丸を削除するにはダブルクリックします。
モジュレーションカーブ内のすべての角度を滑らかにするには、グリッドオプションの右側にある波線をクリックします。
ブラシツール
ブラシアイコンをクリックしてブラシツールをアクティブにします。ブラシアイコンの右側の形状をクリックすることによりブラシで描く形状を選択できます。ブラシツールがアクティブな間、モジュレーションカーブビジュアル内をクリックすると、マウスの高さで各水平グリッド間にブラシ形状が描画されます。
モジュレーションカーブビジュアル全体にわたってクリックしてドラッグすると、簡単に全体のビジュアルが描画されます。マウスがモジュレーションカーブディスプレイの上にある間、CTRLを押すとブラシツールがオンとオフに切り替わります。
グリッド設定
左側のグリッド番号は、水平グリッドラインの数を決定します。右側のグリッド番号は、垂直グリッドラインの数を決定します。
EFFECTS(エフェクト)
Vitalには、エフェクトラックに追加できる合計9つのエフェクトがあります。これらはサウンドデザインでよく使用される一般的なエフェクトであり、非常に複雑で豊かな音を作成するために使用することができます。
エフェクトを使用するには、単に左上のアクティベーターボタンをクリックします。エフェクトは上から下へ順番にかかるため、並べ替えを行いたい場合はエフェクトをクリックしてドラッグし、上または下に移動します。
Chorus(コーラス)
コーラスは、単一の楽器を一度に演奏している同じ楽器のグループのように聞こえるようにします。これがコーラスと呼ばれる理由です。(歌手を複数の歌手、合唱団に変えることが語源だそう)
コーラスは、元の音を異なる変調遅延時間で複製し、わずかに変調するピッチで再現します。これは、同じ音をわずかに異なる時間とピッチで演奏する楽器を再現するためです。
①Activator
②Visual
③Voices Parameter
④Modulation Frequency
⑤Delay Timing Knobs
⑥Feedback Knob
⑦Filter Frequency Response curve
⑧Filter Knobs
⑨Dry/Wet Mix Knob
Visual
コーラスの配置を視覚的に表示します。
Voices Parameter
コーラスのピッチ変調された遅延の量を選択します。4、8、12、または16に設定できます。これは、グループで演奏する楽器の数と考えてください。この設定はビジュアルで視覚化されます。
Modulation Frequency
遅延時間モジュレーションが繰り返されるまでの時間を決定します。秒単位または曲のBPMの分数として設定できます。遅延時間のモジュレーションを除去するためにフリーズに設定できます。この設定はビジュアルで視覚化されます。
Delay Timing Knobs
- DEPTH:ツマミを左に回すと、各遅延音を異なる分数倍します。右に回すと、各遅延音に異なる増加量の遅延時間が追加されます。これらの設定はビジュアルで視覚化されます。
- DELAY1:コーラスの半分の音の遅延時間の相対的なコントロールです。
- DELAY2:コーラスの残りの半分の音の遅延時間の相対的なコントロールです。
Feedback Knob
コーラスの出力の一部をコーラスの入力にフィードバックします。負のパーセンテージは、コーラスの出力の位相反転バージョンをコーラスの入力にフィードバックします。負のフィードバックは、特にフィードバックが多い短い遅延の場合、位相のキャンセル問題を解決するために役立ちます。
Filter Knobs
- Spread:バンドパスフィルタとフィルタなしの間をミックスします。
- Cutoff:バンドパスフィルタのカットオフ周波数を設定します。
これらの設定はFilter Frequency Response curveに反映されます。
Dry/Wet Mix Knob
コーラスの元の音とコーラス処理された音のミックス割合を設定します。
Compressor(コンプレッサー)
Vitalのコンプレッサーは、マルチバンドまたはシングルバンドのダウンワードまたはアップワードの圧縮を可能にします。これにより、穏やかな圧縮、OTTライクな圧縮、またはその間のどんなことでも行うことができます。
ダウンワード圧縮は、信号が特定の閾値を超えたら、その信号を特定の比率で下げます。例えば、信号が閾値より4db高く、比率が4:1の場合、出力が閾値より1db高くなるように、信号が3db下げられます。
アップワード圧縮は、信号が特定の閾値を下回ったら、その信号を特定の比率で上げます。例えば、信号が閾値より4db低く、比率が4:1の場合、出力が閾値より1db低くなるように、信号が3db上げられます。
ダウンワード圧縮とアップワード圧縮の両方が、オリジナルの信号のダイナミックレンジを減少させ、楽器を重厚で大きく聞こえるようにするために使用されます。
①Activator
②Compressor Banding Options
③Visual
④Aattck and Release Knobs
⑤Post Compressor EQ
⑥Compressor Mix Knob
Compressor Banding Options
入力信号は異なる周波数帯に分割され、各周波数帯にはダウンワードおよびアップワード圧縮用のそれぞれの閾値と比率設定ができます。低周波数バンドは約150 Hzでカットオフされます。高周波数バンドは約3000 Hzでカットオフされます。周波数帯のカットオフは変更できません。
Visual
ビジュアルの緑色のメーターは、コンプレッサーの出力レベルを表しています。メーターのピークの周囲に浮かぶ水平の白い線は、コンプレッサーの入力レベルを表します。メーターのピークと水平の白い線との距離は、適用されている圧縮の量です。
背景にある透明な緑色の四角形は、コンプレッサーの閾値と比率を制御します。下がアップワードコンプレッサーで、上がダウンワードコンプレッサーです。これらの四角形の上部/下部のエッジをクリックしてドラッグして、特定のコンプレッサーの閾値を調整します。すべてのコンプレッサーの閾値を一度に調整するには、Shift キーを押しながらクリックしてドラッグします。
四角形内をクリックしてドラッグして、特定のコンプレッサーの比率を調整します。比率は数値で表示されません。比率は、四角形内のグリッド線の数と背景のグリッド線の数を比較して決定されます。
ダウンワードコンプレッサーのグリッド線が背景のグリッド線と一致すると、比率は1:1になり、コンプレッサーは効果的にバイパスされます。
ディスプレイの下半分のコンプレッサーのいずれかのグリッド線が背景のグリッド線よりも大きくなると、コンプレッサーが明るい表示になります。これは、アップワードコンプレッサーで1:1以下の比率を持つと、ダウンワード圧縮が行われるためです。
Aattck and Release Knobs
アタックは、信号が閾値に達した後、音を完全に減衰させるまでにかかる時間を調整します。つまみを完全に左に回すと、音が即座に減衰します。つまみを右に回すと、トランジェントが変化せずにいくつかの時間が経ち、減衰がフェードインされます。
リリースは、信号が閾値以下に戻って音の減衰を停止するまでにかかる時間を調整します。つまみを完全に左に回すと、音の減衰が即座に停止します。つまみを右に回すと、減衰がフェードアウトするまでの時間が長くなります。
アタックとリリースは、コンプレッサーの非常に重要なコントロールです。これらを調整することで、音を平坦にする、トランジェントを引き立てることができます。
Post Compressor EQ
コンプレッサー後の信号を、低域シェルフ、中域シェルフ、および高域シェルフを使用してEQできます。低周波数シェルフは約150 Hzでカットオフされます。高周波数シェルフは約3000 Hzでカットオフされます。周波数帯のカットオフは変更できません。
Compressor Mix Knob
コンプレッサー元とコンプレッサー後のEQ処理された音のミックス割合を設定します。
Delay(ディレイ)
ディレイは、元の信号を特定の頻度で繰り返します。オプションで、各リピートにフィルターを適用することもできます。サウンドに反響が発生するので奥行きをつける時などに使用します。
①Activator
②Visual
③Time Frequency
④Mode Options
⑤Feedback Knob
⑥Filter Frequency Response curve
⑦Filter Knobs
⑧Dry/Wet Mix Knob
Visual
ディレイ効果を左チャンネルと右チャンネルで視覚的に表示します。左が上に、右が下に表示されます。
Time Frequency
ディレイが繰り返されるまでの時間を決定します。秒単位の時間または曲のBPMの分数として設定できます。この設定はディレイの視覚表示に反映されます。
Mode Options
ディレイを再生する方法を決定します。この設定もディレイの視覚表示に反映されます。モノ以外のモードでは、2つの設定があります。
- Mono:左と右の信号を同時に繰り返します。
- Stereo:左と右のチャンネルを異なるタイミングで繰り返します。これらのタイミングは2つのTime Frequencyで設定できます。
- Ping Pong:ディレイのモノラルサムバージョンを左と右で交互に繰り返します。右のTime Frequencyは最初のリピートまでの時間(右チャンネルで)、その後左チャンネルでリピートするまでの時間を決定します。左のTime Frequencyは右チャンネルでのリピート後、左チャンネルでリピートするまでの時間を決定します。
- Mid Ping Pong:ピンポンと似ていますが、チャンネルはモノにサムされません。さらに、左と右のチャンネルが同時にリピートされるステレオリピートが追加されます。信号は右、左、ステレオ、右、左、ステレオと繰り返されます。
Feedback Knob
ディレイ出力の一部を入力に戻します。負のパーセンテージは、位相反転バージョンの出力を入力に戻します。短いディレイで多くのフィードバックがある場合、位相キャンセル問題を解決するために負のフィードバックが有効です。
Filter Knobs
- Spread:バンドパスフィルターとフィルターなしを混合します。
- Cutoff:バンドパスフィルターのカットオフ周波数を設定します。
この設定はFilter Frequency Response curveに反映されます。
Dry/Wet Mix Knob
元の音とディレイ出力をミックスします。この設定はディレイの視覚表示に反映されます。
Distortion(ディストーション)
Vitalのディストーションは、ウェーブシェーピングディストーションです。ウェーブシェーピングディストーションは、入力信号の振幅レベルを出力信号の振幅レベルにマッピングすることで音波の形状を変えます。さらに、ゲインノブを使って入力信号の増幅や減少を行います。これは、テクスチャやハーモニクスを追加するためのツールとなります。
①Activator
②Waveshaping Input Vs. Output Chart
③Drive Knob
④Waveshape Type Chooser
⑤Filter Placement Option
⑥Filter Frequency Response curve
⑦Filter Control Knobs
⑧Dry/Wet Mix Knob
Waveshaping Input Vs. Output Chart
このグラフは、入力振幅と出力振幅の関係を示しています。入力振幅はx軸に、出力振幅はy軸に表示されます。通常、無限の範囲の数値を小さな固定範囲にマッピングする関数が使用されます。この関数は無限の範囲を入力として受け取ることができますが、出力は-1から1の範囲に収まります。
Drive Knob
Drive Knobは、ウェーブシェーピングが適用される前に入力信号の振幅を増減させます。②は、Drive Knobの変更に反応します。これは、Drive Knobによって入力が増減された後のx軸が反映されるためです。
Waveshape Type Chooser
特定の入力振幅を出力振幅にマッピングする関数を選択します。各種ウェーブシェーピングディストーションの簡単な説明は以下の通りです。
- Soft Clip:大きな信号は比例して完全な振幅に近づきますが、実際には完全な振幅には達しません。これにより、信号が振幅の限界に達する前に丸い曲線が形成されます。元の音をあまり変えずにハーモニクスを追加するのに役立ちます。
- Hard Clip:振幅を超えた信号は完全な振幅に設定されます。これにより、信号が振幅の限界に達するときに急角度で平坦化されます。奇数次のハーモニクスを追加し、元の音をより攻撃的にするのに役立ちます。
- Linear Fold:振幅を超えた信号は反対方向に反射されます。独特なハーモニクスを追加し、元の音を大幅に変えるのに役立ちます。
- Sine Fold:Linear Foldと似ていますが、反射のエッジが丸くなります。独特なハーモニクスを追加し、元の音を大幅に変えるのに役立ちますが、Linear Foldよりも少し丸みを帯びた音になります。
- Bit Crush:出力振幅レベルが特定の値に制限されます。Drive Knobは許可される振幅レベルの数を制御します。これは本質的にビット削減と同じです。ビット深度は、オーディオファイルが読み取れる可能な振幅レベルの数を示します。
- Down Sample:ビットクラッシュと同じですが、Drive Knobによる挙動が少し緩くなります。
Filter Placement Option
ディストーションの前または後にフィルタを適用することができます。これはディストーションが多くのハーモニクスを導入するため、ディストーションの適用前または後にハーモニクスの量を減らすことが可能です。フィルタがオンになると、Filter Frequency Response curveが赤でハイライトされます。
Filter Control Knobs
- CUTOFF:フィルタのカットオフ周波数を設定します。
- RESONANCE:カットオフ周波数でのピーク量を設定します。
- BLEND:ローパス、バンドパス、ハイパスフィルタタイプをブレンドします。
Dry/Wet Mix Knob
ディストーション前後の音のミックス割合を設定します。
EQ(イコライザー)
3つの減衰ポイントを持つイコライザーで、これらのポイントはローパス、ロウシェルフ、ハイパス、ハイシェルフ、ノッチ、またはピークとして設定することができます。
①Activator
②Visual
③Aenuation Point Chooser
④Aenuation Point Type Chooser
⑤Aenuation Point Control knobs
Visual
EQは白い曲線として表示されます。EQ出力に含まれる現在のハーモニクスは背景に表示されます。減衰ポイントは白い円として示され、現在選択されている減衰ポイントは塗りつぶされた円になります。減衰ポイントをクリックしてドラッグすると、その減衰ポイントのカットオフ周波数とゲインが調整されます。
Aenuation Point Chooser
“LOW”、”BAND”、”HIGH”をクリックすると、減衰ポイントがそれぞれ選択されます。減衰ポイントを選択すると、EQビジュアルの対応する円が塗りつぶされ、対応する減衰ポイントのコントロールノブが表示されます。
Aenuation Point Type Chooser
ローおよびハイの減衰ポイントはデフォルトでシェルフに設定されています。減衰ポイント選択をクリックすると、そのポイントがローパスまたはハイパスに変更されます。真ん中の減衰ポイントはデフォルトでピークに設定されています。減衰ポイント選択をクリックすると、そのポイントがノッチに変更されます。
Aenuation Point Control knobs
- GAIN: 減衰ポイントのゲインをdB単位で選択します。ローパス、ノッチ、およびハイパスの減衰ポイントではゲインが無効になります。
- CUTOFF: 減衰ポイントのカットオフ周波数を選択します。
- RESONANCE: カットオフ周波数でのピーク量を設定します。
Filter(フィルター)
ボイスセクションにあるフィルターと同一の追加フィルターです。
Flanger(フランジャー)
Vitalのフランジャーは、実際のフランジャーの結果として得られる内の特定タイプのCombフィルターであり、実際のフランジャーそのものではないそうです。
①Activator
②Visual
③Feedback knob
④Center Frequency Knob
⑤Center Frequency Modulation Frequency Settings
⑥Depth Knob
⑦Stereo Offset
⑧Dry/Wet Mix Knob
Visual
フランジャーの視覚表示は、音に適用されるCombフィルターの周曲線を示します。オフセットノブが0または360度に設定されていない場合、半透明な曲線が2つ表示されます。1つは左チャンネル用で、もう1つは右チャンネル用です。
Feedback knob
フランジャーの出力の一部を入力に戻します。負のパーセンテージは出力の位相反転バージョンを入力に戻します。正のパーセンテージは偶数次高調波を増やし、負のパーセンテージは奇数次高調波を増やします。
Center Frequency Knob
Combフィルターの中心周波数を設定します。
Center Frequency Modulation Frequency Settings
Combフィルターの中心周波数を上下に変調してフランジャー効果を作り出します。このパラメータは、Combフィルターが一度上下するのにかかる時間を設定します。秒単位または曲のBPMの分数として設定できます。フリーズに設定して中心周波数の変調を解除することも可能です。
Depth Knob
Combフィルターの変調が上下する範囲を設定します。
Stereo Offset
左チャンネルと右チャンネルのCombフィルター中心周波数を度数でオフセットします。
Dry/Wet Mix Knob
フランジャー加工前後の音のミックス割合を設定します。
Phaser(フェイザー)
Vitalのフェイザーは、実際のフェイザーの結果として一般的に見られる一連のノッチフィルターであり、実際のフェイザーそのものではないそうです。
①Activator
②Visual
③Notch Slider
④Feedback knob
⑤Center Frequency Knob
⑥Center Frequency Modulation Frequency Settings
⑦Depth Knob
⑧Stereo Offset
⑨Dry/Wet Mix Knob
Visual
フェイザーのビジュアルは、音に適用されるノッチフィルターの曲線を表示します。オフセットノブが0度または360度に設定されていない場合、2つの透明な曲線が表示されます。1つは左チャンネル用、もう1つは右チャンネル用です。
Notch Slider
ノッチフィルターの一連のノッチの数を設定します。オールパスフィルターを追加することでノッチが増えます。フェイザーでは、オールパスフィルターの数を「ポール」と呼びます。
Feedback knob
フェイザーの出力の一部を入力に戻します。
Center Frequency Knob
ノッチフィルターの一連の中心周波数を設定します。
Center Frequency Modulation Frequency Settings
ノッチフィルターの一連の中心周波数が上下に変調されます。このパラメーターは、一連のノッチフィルターが上下に一度移動するのにかかる時間を設定します。秒単位または曲のBPMの一部として設定できます。フリーズに設定して、中心周波数のモジュレーションを無効にすることもできます。
Depth Knob
ノッチフィルターの一連のモジュレーションがどれだけ上下に移動するかを設定します。
Stereo Offset
ノッチフィルターの一連の中心周波数を左チャンネルと右チャンネルで度数分ずらします。この度数は、中心周波数モジュレーションサイクルの度数を表します。
Dry/Wet Mix Knob
フェイザー前後の音のミックス割合を設定します。
Reverb(リバーブ)
①Activator
②Pre Reverb EQ
③Post Reverb EQ Visual
④Post Reverb EQ Controls
⑤Reverb Chorus Controls
⑥Reverb Space Controls
⑦Pre-Delay Knob
⑧Dry/Wet Mix Knob
Pre Reverb EQ
- LOW CUT:リバーブが適用される前に入力にハイパスフィルターを適用します。
- HIGH CUT:リバーブが適用される前に入力にローパスフィルターを適用します。
Post Reverb EQ Controls
リバーブ後にロウシェルフまたはハイシェルフを適用してダンピングを行うことができます。EQの曲線は、ビジュアルに紫色の曲線として表示されます。アッテニュエーションポイントは紫色の円で示されます。現在選択されている減衰ポイントは、塗りつぶされた円で表示されます。減衰ポイントをクリックしてドラッグすると、カットオフ周波数とゲインを調整できます。ゲインは-6dBから0dBの範囲に制限されています。「LOW」または「HIGH」をクリックすると、それぞれ低音域または高音域の減衰ポイントが選択されます。減衰ポイントを選択すると、EQビジュアルで対応する円が塗りつぶされ、対応するEQコントロールノブが表示されます。
Reverb Chorus Controls
オプションでリバーブにコーラス効果を適用できます。
- Chorus Amount(CHOR AMT):コーラスのピッチモジュレーションの量を決定します。
- Chorus Frequency(CHOR FREQ):コーラスのピッチモジュレーションの周波数を決定します。
Reverb Space Controls
SIZE:部屋の音を小さな閉じた空間や広い開放的なホールのようにします。
TIME:リバーブの尾の時間を秒単位で設定します。
Pre-Delay Knob
リバーブを遅延させて、元の信号がリバーブが開始される前に少しの間単独で再生されるようにすることができます。これにより、元の信号がより明確に聞こえるようになります。プレディレイノブは、リバーブ信号の遅延時間を秒単位で決定します。
Dry/Wet Mix Knob
元の音とリバーブ成分のミックス割合を設定します。
グローバル設定
Voices
同時に演奏できるMIDIノートの数を決定します。これはオシレーターのユニゾンボイスとは異なります。
Bend
原音から半音単位で可能なMIDIピッチベンドの範囲を決定します。例えば、ベンド量が2の場合、MIDIノートを上下2半音までベンドできます。
Vel Trk
ベロシティトラッキング。
Spread
ノブを右に最大まで回すとシンセの出力には影響しません。ノブを左に回すとステレオ信号がモノラルに変換されます。スプレッドを右クリックすると、SpreadノブをRotateノブに切り替えます。Rotateは左右のパンを円形に回転させます。以下に具体例を示します。
- オシレーター1とサンプラーをオンにします。
- オシレーター1を全て左にパンします。
- サンプラーを全て右にパンします。
- ローテートノブをゆっくりと動かして、回転するステレオを聞いてみます。
Glide
一つのMIDIノートが次のMIDIノートに変化する(音が滑る)時間を秒単位で決定します。
Slope
2つのMIDIノート間のピッチグライドのカーブを決定します。
Always Glide
有効にすると、前に演奏されたMIDIノートから次のMIDIノートへのピッチグライドが常に発生します。無効にすると、2つのMIDIノートが重なっている場合にのみピッチグライドが発生します。
Octave Scale
有効にすると、グライド時間が2つのMIDIノートの距離に依存します。例えば、3オクターブのグライドは1オクターブのグライドの3倍の時間がかかります。
Legato
ボイスが1に設定され、レガートが有効な場合、エンベロープやLFOなどのモジュレーションは、新しい重なるMIDIノートが演奏されても再トリガーされません。
ADVANCED(高度な設定)
オシレーター アドバンスト設定
オシレーターのアドバンスト設定を表示するには、オシレーターを有効にします。ユニゾンセクションを表示するには、オシレーターに複数のボイスを追加します(※)。オシレーターが無効になっているか、1つのボイスしか使用していない場合、アドバンスト設定は薄暗く表示されます。
※複数ボイスの追加とはオシレーターのUNISON設定の左側を2v以上に設定することです。
①Note Tracking Option
②Hi Resolution Wavetable Option
③Oscillator Unison Stack Options
④Oscillator Unison Detune Range
⑤Oscillator Unison Dry/Wet Knobs
⑥Oscillator Unison Spread Knobs
Note Tracking Option
ノートトラッキングを無効にすると、このオシレーターは、再生するMIDIノートに関係なく同じノートを再生します。デフォルトのオシレーターのピッチ設定ではC3が再生されます。
別のノートを再生するには、オシレーターのピッチ設定を調整します。
Hi Resolution Wavetable Option
ウェーブテーブルが高解像度になります。ほとんどの場合は不要ですが、高周波数の多いウェーブテーブルには影響があるかもしれません。
Oscillator Unison Stack Options
ユニゾンボイスがピッチの観点からどのようにスタックされるかを決定します。 以下にユニゾンスタックオプションの簡単な説明を示します。
- Unison:MIDIノートを中心にデチューン範囲の最下端から最上端までのピッチでボイスを再生します。
- Center Drop 12:ユニゾンと同じですが、1つのボイスが1オクターブ下がり、モノラルで再生されます。
- Center Drop 24:ユニゾンと同じですが、1つのボイスが2オクターブ下がり、モノラルで再生されます。
- Octave:MIDIノートを中心に、デチューン範囲の最下端から最上端までのピッチとその1オクターブ上でボイスを再生します。
- 2x Octave:MIDIノートを中心に、デチューン範囲の最下端から最上端までのピッチ、その1オクターブ上、そして2オクターブ上でボイスを再生します。
- Power Chord:MIDIノートを中心に、デチューン範囲の最下端から最上端までのピッチと完全5度(7半音)上でボイスを再生します。
- Major Chord:MIDIノートを中心に、デチューン範囲の最下端から最上端までのピッチ、長3度(4半音)上、そして完全5度(7半音)上でボイスを再生します。
- Minor Chord:MIDIノートを中心に、デチューン範囲の最下端から最上端までのピッチ、短3度(3半音)上、そして完全5度(7半音)上でボイスを再生します。
- Harmonics:最初のボイスはMIDIノートを再生します。追加された各ボイスは、和音系列の次のピッチを再生します(16ボイスで最大16和音)。デチューンはこれらの和音をランダムに上下に動かし、無調和な音を作り出します。
- Odd Harmonics:最初のボイスはMIDIノートを再生します。追加された各ボイスは、奇数順の和音系列の次のピッチを再生します(16ボイスで最大16和音)。デチューンはこれらの和音をランダムに上下に動かし、無調和な音を作り出します。奇数順の和音系列にはオクターブが含まれません。
Oscillator Unison Detune Range
ボイスのピッチがどれだけデチューンできるかの範囲をセミトーン単位で決定します。
Oscillator Unison Dry/Wet Knobs
- UNISON BLEND:デチューンされたボイスの音量を調整します。
- STEREO UNISON:完全に左に回すとステレオ信号をモノラルに合算します。
Oscillator Unison Spread Knobs
- TABLE SPREAD:異なるウェーブテーブル位置にボイスを分散させます。ウェーブテーブル位置の範囲は視覚的に表示されます。
- SPECT SPREAD:オシレーターの左モジュレーションノブの異なる位置にボイスを分散させます。ノブ位置の範囲は視覚的に表示されます。
- DIST SPREAD:オシレーターの右モジュレーションノブの異なる位置にボイスを分散させます。ノブ位置の範囲は視覚的に表示されます。
グローバル アドバンスト設定
①Oscilloscope
②Frequency Spectrum Analyzer
③Global Oversampling
④Frequency Units Option
⑤Global Voice Settings
Oscilloscope
オシロスコープは、シンセサイザーを通して再生されている波形の現在のビューを表示します。
Frequency Spectrum Analyzer
現在のサウンドに存在するすべてのハーモニクス(倍音)を表示します。
Global Oversampling
シンセサイザーのオーバーサンプリングの量を設定します。
ナイキスト定理によれば、実際に人間が聞くことができるすべての音に対して2倍のオーバーサンプリングで十分とされています。しかし、高周波数を強調する特定のサウンドでは、追加のオーバーサンプリングが役立つ可能性がありますが、動作が重くなる場合があります。
1倍のオーバーサンプリングでは高周波数でいくつかのエイリアシングが発生する可能性があります。高周波数のないシンセサウンドでは、1倍のオーバーサンプリングに設定しても影響はなく、CPU使用量を節約できます。また、エイリアシングは実験的なサウンドデザインの技法として使用することもできます。
Frequency Units Option
Vital内の周波数はヘルツ(Hz)または半音単位で表示できます。ヘルツは1秒あたりのサイクル数です。半音は中央のCからの距離で測定されます。この設定はプリセットを変更しても、Vitalを閉じて再度開いた時にも保持されます。
Global Voice Settings
NOTE PRIORITY
グローバルボイスより多くのMIDIノートが再生された場合、このオプションはどのノートが再生され、どのノートが再生されないかを決定します。以下はノートプライオリティのオプションです。
- Newest:新しいMIDIノートが古いMIDIノートより優先されます。
- Oldest:古いMIDIノートが新しいMIDIノートより優先されます。
- Highest:高音のMIDIノートが低音のMIDIノートより優先されます。
- Lowest:低音のMIDIノートが高音のMIDIノートより優先されます。
- Round Robin:Highestの類似。
TUNING
チューニングファイルをロードして、MIDIノートのピッチ間隔を決定します。
- ピタゴラス音律: 完全5度に基づく古代の標準チューニング。オーケストラの曲や実験的な曲に試してみてください。このチューニングシステムにはいくつかの奇妙な点があり、一部の規則は解釈に委ねられています。古い楽器では同じノートに対して2つのピッチを持つものもありました。これは高次の倍音が「音痴」になることと関連しています。詳しくはこちら。
- 純正律: 西洋以外の五音音階音楽で一般的だった音律システム。五音音階に基づく曲や実験的な曲による使用が考えられます。詳しくはこちら。
- デフォルト: 現代の標準チューニング(等音律)。ほとんどの現代音楽に対して最も快適に聞こえると思われます。詳しくはこちら。
TUNE
シンセサイザーの出力をセンチ単位で調整します。100セントは1半音です。デフォルトでは0に設定されており、オシレーターはMIDIノートをそのまま再生します。
TRANSEPOSE
シンセサイザーの出力を半音単位で調整します。デフォルトでは0に設定されており、オシレーターはMIDIノートをそのまま再生します。
最後に
Vitalはたくさんの機能があり有料のシンセサイザーとも引けを取らないものなのでしっかりモノにしていきましょう!
Audiostockというサイトで楽曲を販売しております。視聴もできますので是非覗いてみていただけると幸いです。
AudioStockの登録はこちらから↓
またいつもは↓のような楽曲を作っていますのでどうぞ聴いて高評価・チャンネル登録していただけると非常に嬉しいです!嬉しいです!!!
コメント
Envelopeのところで、「エンベロープ1はデフォルトでオシレーターとサンプラーの音量にマッピングされています。これは、別のモジュレーション元をオシレーターまたはサンプラーの音量に適用することでのみマッピング解除できます。」
とありますが、例えばOSC1のLevelに別のモデュレーション元(ENV2やLFO1)を割り当てても、ENV1が効いてしまいます。マッピング解除は効果を外すという意味ではない?
効果を解除する事は出来ないのでしょうか?
コメント頂き、ありがとうございます。当該箇所の確認を行いました。
まず、マッピング解除は出来なさそうです。確認ができておらず申し訳ありません。
正確にはOSC(またはサンプラー)のLEVELを0にすることによって、ENV1の影響は受けなくなります。そうすれば”マッピングが解除された状態”と同様の状態になるかと思います。
その状態でLEVELに対して他モジュレーションをアサインすればENV1の影響を受けずに他モジュレーションでの操作が可能になります。
他モジュレーションをアサインしただけではマッピングは解除されないため、文章も修正しておきます。
また念の為、本家マニュアルの原文を以下に載せておきますので必要あればご確認ください。
Envelope 1 is mapped to oscillator and sampler volume by default.
This can only be unmapped by applying a different modula on source to an oscillator or sampler volume.
理解出来ました!返信ありがとうございます!